お題1「屋上の指定席」
リハビリにお題やりまっす。シゲタツ。
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「お前午後授業出てないだろ」
風祭が探してたぞ、と入口の上、給水タンクに向かい声をかける。
「そういうお前はこんなとこ居てええの、優等生」
ひょこっと覗いた顔に水野は目の上に手を翳して視線を上げた。逆光の中、金髪が陽光を弾いてシルエットを縁取る佐藤の姿がそこにある。
「自習。教室で居眠りできねえんだよ、優等生だから」
「難儀やなぁ。あれ、上がってこんの?」
優等生だから、をやけに歯切れよく発声し、おもむろにその場に腰を下ろした水野の頭上へ、佐藤の声が降ってくる。
「暑い」
それをばっさり一言で切って捨てて、水野はひんやりと冷たいコンクリートの壁に背中をもたせかけた。よく晴れた空を見上げたその視界を、不意に金色の残像が掠める。
「危ねえからハシゴ使えよ」
「んなまどろっこしい」
それなりの高さから、まるで体重がないかのように平然と飛び降りて目の前に立つ佐藤は、水野の苦言をまるで無視してさも当たり前のように隣に座り込む。
「腕でも膝でも貸したるよ」
「肩でいいよバカ」
バカ言うなバカて、とわざとらしく不服そうな声をさっきのお返しとばかり無視して、水野は佐藤の肩に頭を預けて目を閉じた。
青春10のお題
- 屋上の指定席
- いつもの寄り道
- 木陰で読書
- 片思い×片思い
- 放課後の待ち合わせ
- 木漏れ日の下
- 曲がったネクタイ or 外れたボタン ≪選択式≫
- 一人にして
- 早朝の教室
- 夏の終わり
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