椿と赤崎

 友達に送りつけた超短文、唐突に始まり唐突に終わる。何を思ったか椿と赤崎です。中学生みたいになりました。
 あ、ジャイキリカテゴリつくりました。観念した。





 隣を歩く椿をふと見た赤崎は、その目尻から零れた一筋を見てぎょっと目を見開いた。
「ちょ、椿っお前なに泣いてんだよ!?」
「へ?」
 当の椿はぽかんとしていたが、ず、と自分が鼻をすすった音を合図としたように、突然わたわたと慌てだす。
「あああ!違うんスこれ!オレ寒いと勝手にナミダ出てくるんスよ!!」
 泣いてないっす泣いてないっす!と言いながらぐいと拳で目元を拭うのを、赤崎はあっけに取られて見守るばかりだ。
「寒いと涙出てくるって…んなことあんのか?」
「ハイ、オレちっちゃい頃からそーなんスよ」
 花粉症みてーなもんか?と首を傾げる赤崎の横で、ぐすぐすと鼻を鳴らす椿の目にはまた涙が溜まりはじめている。
「椿」
「ハイ?」
 呼び止めて自分の方を向いた椿の首元に、赤崎は外した黒いマフラーをぐるぐるに巻き付けてやった。
「わわっ、え、ザキさん?」
「寒ぃんだったら貸しといてやるよ」
「え、あの、えっ?」
「…お前、黒にあわねーのな」
 事態が飲み込めずあわあわする椿は、ふいとそっぽを向いた赤崎の耳が赤く染まっていたことに気付かなかった。





 練習が午前練だけでお買い物でーと的なシチュエーションだと思う。椿はノルディックなニット似合いそうだなーとか思いました。
 ちなみに寒いと涙出る体質なのは自分だ。