エコール(DVD)

エコール [DVD]

エコール [DVD]

 観たいと思ってアマゾンのカートに入れて気がついたら2年経ってました。それくらい映画観る習慣ないのよ。ようやく観た。レンタルだけど。
 もっとふわふわっとファンタジックな映画だとなぜか思い込んでたけど、案外じめっとしてるし生っぽかった。これはこれで全然嫌いじゃなくむしろ好きだけど、後味すっきりからは程遠いので調子の悪い時に観るとうーんとなりそうな感じがする(笑)。
 周りは深い森の緑色、湖があり、少女たちの服は真っ白で髪には年齢ごとに色分けされたリボン、なんていう御伽噺チックな絵づらのくせに、全然ふわふわしていないので、あれ?騙された?と勝手に勘違いしたくせに思ったり(笑)。御伽噺が実はロマンチックなものじゃない、という意表の突かれ方に近いかも。悪い魔女は釘を打った樽に詰められて坂から転がり落とされました、めでたしめでたし、みたいな。
 あっけらかんと陽性の少女礼讃じゃなくて、なんだろうな、少女を得体の知れないものと見る視点があるような。でも少女を美しく撮るという気合もしくは気迫、意志は画面中から感じられるので、畏怖の念、とでもいえばいいのか?萌えロリを期待してみると痛い目みそうな気がするけど自分がロリ属性じゃないし一応性別女なのでそこらへんはわからない。
 エコール=学校というタイトルだけどなんの学校なんだろうあそこは。素直に考えればバレリーナの養成学校なんだけど絶対そうじゃないよな……。きれいな画面のくせに不穏な空気が全体からもやもや漂ってるので、観てるうちにお尻が落ち着かなくなってきます。純粋培養の年上の子たちが自分たちの置かれた状況にまったく疑問を覚えてないのもこわい。どう考えても不自然な、籠の鳥(むしろちょうちょかな)なのに。そんで、不自然さに気づいた子は幸せにはなれない。こわいこわい。わたしにとってエコールはきれいなホラー映画かもしれない。