ひなたの窓にあこがれて(黒黄)

 やる気続かないから出し惜しみはしない!(笑)
 黒子さんは本を読む子なのでポエティック許されるかと思ったんだけど、そもそもあんまり抒情的になんなかったよおかしいな。





 飲み物を取りに少し席を外した隙に、客がすっかり眠り込んでいた。
 人のベッドに転がって、陽当たりよくてあったかくて眠くなるっス、とか言っていたのは前振りだったのかと、黒子は健やかに寝息を立てる黄瀬を見下ろして軽く嘆息した。
「…気持ちよさそうに寝てますねまったく」
 ひとりごちて、黒子はベッドの傍の床に腰をおろす。うつぶせに丸まっている黄瀬の寝顔のよく見える場所だ。
 こうして見ると黄瀬は本当に整った顔をしている。
 普段くるくると表情を変える大きな瞳は隠れて見えないが、頬に影を落とす長い睫毛だとか、薄く開いた唇の形のよさだとか、気に入っているところは幾つもあって、案外自分は面食いなのかもしれないと黒子は思う。顔の傍でゆるく握った手もすんなりと指が長い。
 そしてこれも気に入りの、陽射しに透けてきらきら光る金色の髪にそっと指を差し入れて、梳くように撫でる。二度、三度繰り返すと睫毛の先が震えて、薄っすらとまぶたが開いた。
 覚醒しきらずにむにゅむにゅとなにやら口元を動かしているのが幼い子供のようで、なんとなく微笑ましい気持ちになる。
「おはようございます」
 手触りのよい頬に手の甲を滑らすと、黄瀬は擽ったそうに目を細めて頬を擦り寄せた。
「ぉはよっス……」
 ごろごろと喉を鳴らす音が聞こえないのが不思議なくらい、満ち足りた猫のような顔を黄瀬がするので、思わずその額にキスをした。
(ここまで)